「大腸カメラ検査を少しでも楽に受けたい」「上手な先生にやってもらいたい」誰でも、そのように考えていると思います。
大腸カメラ検査の上手な医師、いわゆる「名医」を探すには、どの点に着目すべきなのでしょうか?今回は、患者さんの立場から名医を探すためのポイントをいくつかご紹介します。
内視鏡検査医の名医の基準とは?
内視鏡検査の名医を見つけようと思っても、見分け方は難しいものです。一番わかりやすいのは、検査実績ではないでしょうか?技術を身につけるためには、それなりの経験数が必要です。
経験の有無を見る方法として、「専門医」の取得は1つの目安となります。内視鏡学会専門医を取得するためには、かなりの症例数が必要ですから、専門医があれば経験数が多いという証拠です。専門医の有無やクリニックでの検査実績はホームページで公開されていることが多いので、確認してみましょう。ただ、あくまで『資格がある』ということを証明しているだけで、絶対に安心できる要素というわけでもありません。専門医の資格を持っていても医師としての実績などには当然差がつきます。
検査が「上手」とは?
また、ひとくちに「上手」といっても、いくつか要素があります。
カメラの挿入にかかる時間
まず、カメラを入れてから検査を終了するまでの時間は、短いほど体への負担は少ないです。観察をするための時間はある程度とる必要がありますから、大腸カメラ検査を肛門から挿入を始めた時点から、盲腸(奥)までスコープを挿入するまでの時間がどれだけ短いかが、参考になる目安といえます。
大腸の形状は一人ひとり違いますので、そのバリエーションに瞬時に対応して適切に挿入できれば、挿入時間が短くてすみます。バリエーションに対応するためにも、検査実績は重要といえます。
一般的に、2〜3分で挿入できれば早いといえますが、当院では1分前後で挿入できる医師もいます。挿入にかかる時間を公表しているところは少ないので、直接聞いてみてもよいと思います。
挿入方法による違い
カメラの挿入方法によっても、苦痛の程度が変わります。
腸内に空気を送り込みながらカメラを挿入していく方法は、簡単ではありますが、お腹の張りや痛みが出て苦痛を感じやすい検査方法です。
当院では、基本的に「無送気軸保持法」という方法をとっています。腸の形状を確認しながら、カメラの先端で腸を折りたたむようにカメラをまっすぐ挿入する方法です。腸を引き伸ばさないため、かなり苦痛が軽減でき、かつ安全性も高い方法ですが、習熟までに時間がかかり、この方法を習得している医師は非常に少ないです。
ポリープの発見率
早くてつらさがないだけでなく、しっかり観察して病変を見つけてくれることも大切です。ポリープの発見率は、当然、大腸カメラ検査が「上手」かどうかの目安になります。
しっかりポリープを判別するためのAI技術も出てきていますが、まだまだ熟練した医師の目視には敵わないのが現状です。経験、視野の広さ、集中力など、個人の能力に大きく依存する要素といえます。
鎮静剤を扱えるかどうか
鎮静剤が使えるかどうかという点も、医師の技術・経験に左右されます。
患者さんが楽に検査を受けられるという観点から、当然、鎮静剤を使える医師を選ぶことをおすすめします。ただし、鎮静剤は「麻酔」なので、安全に使用するためには、麻酔の経験が必須です。
麻酔は大病院でしか経験できないもの。全く使った経験のない状態で開業し、いきなり鎮静剤を安全に使いこなすというのは、考えにくいです。
楽に検査を受けるために重要な要素の1つですから、鎮静剤を扱えるかどうかは重視すべきだと思います。
まとめ
大腸カメラ検査の名医・上手な医師を探したいという方に向けて、いくつかのポイントをご紹介しました。
経験に伴った技術があり、鎮静剤が使える医師であれば、苦痛が少なく大腸カメラ検査を受けることができるでしょう。大腸カメラ検査を受けようされている方は、参考にしてみてください。